【コミュ障必見】対人業務が苦手な薬剤師がコミュニケーション力を上げる方法 薬局薬剤師として働いていると、これからは対人業務にも力を入れていこうと言われ、 薬剤師 大切なのはわかるけど、正直対人業務やりたくないなあ… とモヤモヤしていませんか。 今まで対物業務中心だったこともあり、人に関わる業務に苦手意識を感じている薬剤師は多いです。しかし、国が対人業務を重視する以上、人と関わることに苦手意識を持っていると、やりたくない業務が増えてきて仕事が辛く感じてしまいます。 私は薬局薬剤師として5年以上勤務しており、現在は在宅薬剤師として現場に立って、40名以上の患者さんと深い関係性を築いています。 この記事では、人との関わりや会話に苦手意識を持っている方に向けて、現代の薬局薬剤師に求められるコミュニケーション力を身につける方法を解説します。この記事を読むことで、対人業務に強くて市場価値が高い薬剤師になるための一歩が踏み出せます。 もくじ この記事の結論 コミュニケーション力は「話す力」と「聴く力」に分けられる信頼されるには「聴く力」が大切どんな患者も、まずは信頼する結論→理由→具体例→結論で話す話題に迷ったら「気候・道楽・ニュース・知人・家族・健康」話が苦手でも対人業務はできる 話し上手である必要はない 薬剤師に必要なコミュニケーション力と聞くと、 薬剤師 何話していいかわからなくなって、上手に話せないんだよな… と考える人が多いかもしれませんが、薬剤師が話し上手である必要はありません。 コミュニケーションは大きく分けると 「聴く力」 「話す力」 という2つに分けられますが、患者さんとの信頼関係を築くうえで、まず重要になるのは 「聴く力」 だからです。 心理学の研究でも、人はアドバイスよりも「話を聞いてもらえること」に強く満足を感じることが知られています。例えば、Wegerらの研究では、アクティブリスニング(傾聴)を受けた人は、単にアドバイスを受けた場合よりも会話満足度が高く、相手への好意も高くなることが報告されています。 もちろん、話し上手でわかりやすく説明できるに越したことはありませんが、薬剤師として患者さんとの信頼を築くためには「話し上手」より「聴き上手」を目指すべきだといえます。 信頼を築く「聴き方」6選 患者さんの話を「聴く」というのは、実は難しいことです。本来は相手の気持ちや意図を汲み取りながら傾聴するべきなのですが、たいてい自分の解釈、評価、感情、感想を入れながら聞いているからです。プライベートでも、 あなた お気に入りのスカートが入らなくなってショック… パートナー 運動したらいいんじゃない? あなた だから、そーじゃなくて! と、解釈の違いでモメることは日常茶飯事でしょう。 親密な関係であったとしても、相手の話を「聴く」というのは難しいことなのです。 そこで、この章では意識するだけで聴く能力がアップする方法をご紹介します。参考にできるところから取り入れてみてください。 体と視線を患者さんに向ける 患者さんの話を聞くときは、できるだけ体と視線を患者さんに向けることを意識しましょう。 人は、相手の視線や体の向きから「自分の話を聞いてくれているかどうか」を判断しています。言葉だけでなく、姿勢や視線といった非言語的な要素も、信頼関係を築くうえで大きな役割を持っています。在宅の現場では、薬をセットしたり、お薬カレンダーを整えたりと、作業をしながら患者さんの話を聞く場面も多いでしょう。そのような場合でも、ときどき体を患者さんの方へ向けたり、視線を合わせたりするだけで、「あなたの話を聞いています」という姿勢を伝えることができます。逆に、ずっと処方箋やお薬カレンダーばかり見ていると、患者さんからは作業に集中しているように見えてしまいます。このように、話を聞くときの姿勢や視線は、信頼関係に大きく影響します。なお、傾聴する姿勢には体の向きだけでなく、アイコンタクトや表情なども関係します。これらについては、別の記事で詳しく解説しています。 患者の感情を共感する 服薬指導では、患者さんの感情を共感することが極めて重要です。単に正しい説明だけでは、信頼関係を築けないからです。人は「この人は自分の気持ちを分かってくれる」と感じたときに、初めて相手を信頼します。また、正しい情報であればAIでも提供できます。そのため、薬剤師が人間として価値を発揮するためには、患者の感情を読み取り、その不安や迷いを整理する役割が不可欠になります。たとえば、 患者さん 禁断症状が出た知人の話を聞いて不安だから、精神の薬は飲みたくないです。 薬剤師 この薬は、比較的優しいから大丈夫ですよ という説明は内容としては正しいです。しかし、この説明だけでは「飲みたくない」をどうやって飲ませるかだけを考えていて、患者さんの感情には寄り添えていません。患者さんの気持ちは薬が強そうで怖い禁断症状が心配自分にも起きるのではないか不安といった感情があります。まずは、 薬剤師 初めて精神の薬を飲むのは、不安になりますよね。 と、患者さんの感情をしっかり共感してから説明に移りましょう。 情報の区切りで小さくうなずく 患者さんの話を聞くときは、情報の区切りが来たタイミングで小さくうなずくことが効果的です。小さな相槌を挟むことで、患者さんに話を聴いていることを伝えることができ、安心して話をしてもらう土台ができます。たとえば、 薬剤師 この前、新しく下剤出ましたけど、使ってみてどうでしたか? 患者さん この前もらった薬を飲んだら、すごくお腹痛くなっちゃって、●相槌●トイレから全然出られなくなってしまって、恐ろしくて全然飲んでいないんです。 この例では「お腹が痛くなった」という新しい情報が出てきたタイミングで、小さく相槌を打つことが効果的です。理解したことを相槌で相手に伝えることで、話の続きを引き出すことができます。 漫然と聴くのではなく、情報の区切りで相槌を打って、話を聴いていることを患者さんに伝えるようにしましょう。 相槌がないと「話を聞いていない印象」になります。 話の区切りで要約する 患者さんの話を聞くときは、話の区切りが来たタイミングで話を要約することが効果的です。要約を挟むことで、傾聴力が高まり、患者さんとの信頼関係も築きやすくなるからです。たとえば、 薬剤師 この前、新しく下剤出ましたけど、使ってみてどうでしたか? 患者さん この前もらった薬をちょっと飲んだら、すごくお腹痛くなっちゃって、トイレから全然出られなくなってしまって、恐ろしくて全然飲んでいないんです。 薬剤師 飲んでお腹痛くなっちゃったんですね。一度嫌な体験すると飲むことが怖くなりますよね。 このようにポイントをまとめることで、患者さんは「自分の話がきちんと理解されている」と感じます。 この聞いてもらえているという感覚こそが、信頼関係を築くうえで非常に重要です。 ただ頷いているだけだと「話を流し聞きしている印象」になります。 間違っていても否定しない 患者さんが、間違えた認識を持っていたとしても、すぐに否定してはいけません。否定から入ると、どんなに正しい内容であったとしても、話を聞いてもらえなくなります。たとえば、 正しい知識を伝えて、薬の適正使用につなげることが薬剤師の職務です。正しいことを言っただけで、患者さんに伝わっていないようでは、職務を果たしているとはいえなくなってしまいます。 話を最後まで聞く 信頼を築く「話し方」8選 患者を信頼する 名前を呼ぶ回数を増やす 自己開示を行う 相手の話す速度に合わせる 大事な話で少し声を低くする 理解を確認しながら説明する 患者を褒める 結論から話す 雑談は【気候・道楽・ニュース・知人・家族・健康】から 患者さんとの雑談に困ったときは、気候・道楽・ニュース・知人・家族・健康の6つの話題を意識すると、会話を自然に広げることができます。多くの薬剤師は、薬の変更点や副作用の確認など、業務上必要な説明は問題なく行えます。しかし、コミュニケーションに苦手意識がある場合、その業務上の会話から先に話題を広げることができません。結果として、必要な説明だけを機械的に伝えて会話が終わってしまい、患者さんとの関係が深まりにくくなります。そこで役立つのが、気候・道楽・ニュース・知人・家族・健康という6つの話題です。これらは日常生活に関係する内容であり、多くの人が共通して話しやすいテーマです。また、政治や宗教のように対立を生みやすい話題でもないため、雑談として非常に使いやすい特徴があります。実際、航空業界でも乗客との会話を自然に広げる方法として、こうした安全な話題が接客のコツとして紹介されることがあります。たとえば、 「今日は寒くなりましたね(気候)」「最近はどんなことをして過ごされていますか(道楽)」「最近インフルエンザが流行っていますね(ニュース)」「お孫さんはおいくつになったんですか(家族)」 といった一言から会話が始まり、そこから生活状況や体調の変化など、服薬指導に役立つ情報が引き出せることがあります。雑談は、話が上手な人だけができる特別な技術ではありません。話題の引き出しをいくつか持っておくだけで、自然に会話を広げることができます。もし「何を話せばよいのかわからない」と感じることがあれば、まずはこの6つの話題を意識して、患者さんとのコミュニケーションを楽しんでみてください。 【まとめ】話すのが苦手でも対人のプロになれる